マイスィートアフタヌーン
「実行してみたくなってしまったのです。おかしなことなどないように思えて、そうせずにはこの地を後にできないようにも思えていました。旅立ちのための必須条件です。友人である彼女は、ポーリィについて何かを言うかもしれない。消息を僕に語るかもしれない。彼女の話を聞くチャンス、ただ一つの彼女への道を、おまえは通り過ぎる気か? 反面で、いくつもの言い訳を自分にしました。母に見つからないようにするためだ。逃げるために必要なことなんだ。そうしなくては、おまえは捕まってまたあの地へ逆戻りなんだぞ、とね」
ヒースを風が吹きぬけるあの土地へ。
思い出す風景はどれも荒んだものだった。捨ててきたものだから、記憶は都合の良い絵を選んで抜き出す。
ジョンは苦く笑った。年齢を取り戻したように。
ヒースを風が吹きぬけるあの土地へ。
思い出す風景はどれも荒んだものだった。捨ててきたものだから、記憶は都合の良い絵を選んで抜き出す。
ジョンは苦く笑った。年齢を取り戻したように。