マイスィートアフタヌーン
「でも」

奇跡だろうか。これは?

「出会いましたね」

「不思議です」


彼の勇気に褒美を? あるいは。

ジョンの期待どおりに事は運んだ。ポーリィ・ルービンは消息どころか、かの部屋にちゃっかり座って待っていたのだ。


「彼女と出会い話までできて未練は切れるはずだったのに、逆に迷いが生まれてしまいました。このまま行ってしまって良いものか、ですね。そして私的な感情の他にも、彼女に指摘された言葉がぐるぐると回っています。今あの学院に囚われている娘たちを、僕は見捨てて行ってしまってよいものか」


「自身が揺らいでしまっているのなら、一度戻ったらいいんですよ」
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