雪恋〜ゲレンデで恋して〜
夕方になって、片付けを始めた。


冬の夕方はもう薄暗く、ゲレンデもライトアップが始まる。


お客さんもみんな帰って行く。


片付けをしながら、人も少なくなって、ライトアップされたゲレンデを見るのが好き。


だって、なんかキラキラしてて、目の前一面が銀世界。


ぼーっといつまでも見ていられそうって思うくらい。

おかげで、手が休み休みでなかなか片付けがはかどらないんだけど…。



そんないつもみたいに外を見ながら片付けをしていたとき、ある光景が目にとまった。


ゲレンデの上の方から、スノーボードで颯爽と滑り降りてくる人の姿に目が釘付けになった。




カッコイイ…




その滑り降りてくる姿から目が離せなくなってしまった。


「遥〜、全然片付けすすんでないけど、どうしたの〜?」


愛菜に声を掛けられ、バイト中だった事を思い出した。


そのくらい見るのに夢中になってしまった。


「ごめ〜ん。すぐやるね。」


ドキドキする心をおさえながら仕事をする。


なんでドキドキしてるんだろう…

全く
知らない人なのに…


もう見ることなんてないのに…



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