雪恋〜ゲレンデで恋して〜
「なに見てたの?カッコいい人でもいた?」


なんて、愛菜が言うもんだから、持ってたグラスを落としそうになってしまった。


「もう、危ないし!もしかして図星?どこどこ??」

1人テンションが上がる愛菜と同様を隠せないあたし…


「別に…ただ、ボードで上から滑ってきた人が上手過ぎて見てただけ。」


そう、上手だったから、見てただけ。名前も顔も知らない人にときめくわけないじゃん。


「ふ〜ん。ならいいけどさ」


わかってくれたのか、愛菜はまた片付けを始めた。




その時、カフェの扉が開いた。

閉店の看板出し忘れた?


そう思って、

「あの、もう閉店…


「オーナーいつものちょうだい」


入ってきた人が、言葉を遮って、オーナーに向かって話しかけた。


「おぅ、慎二。その辺座って待ってろ。今出すから。」


そういって、その人ともう1人のひとが、テーブルに座った。


オーナーが、カップを持ってやってきた。



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