雪恋〜ゲレンデで恋して〜
「大丈夫?」

慎二さんに言われたけど、転んだことより、立てたことが嬉しくて、


「慎二さん立てたよ〜。あのラーメンの看板見ながら立ったら立てた♪」

と、興奮ぎみ(笑)

ただ立てただけなのに、慎二さんの言葉で立てたことが嬉しかった。


「良かったな。転び方もうまかったし(笑)」

と、言いながら帽子の上からクシャクシャっと頭を撫でてくれた。


慎二さんは気づいてるのかな…


女の子って頭撫でられるの弱いって…

みんなにもそうしてるのかな…


嬉しい気持ちと複雑な気持ちで半々だった…


それがなんなのか、なんでそんな風に思うのか…
今のあたしにはまだわからない…

ただ、もしそうだったら嫌だなって思った…


「ってか、なんでラーメンの看板?(笑)お腹すいた?」

「えっ、ち、違います〜。なんとなく目に止まったんです…」


恥ずかしくなって必死で否定!

「ごめん、冗談(笑)でも、もうそろそろ何か食べよう。もうちょいすると混むし。」


気づけば、もうお昼どき…

えっ、あたし二時間で立つまでしかやってない…


それって、どうなの?(泣)


< 27 / 154 >

この作品をシェア

pagetop