雪恋〜ゲレンデで恋して〜
「愛菜ちゃん、滑れてたね。スゲーじゃん!」


慎二さんが言った。


「コツ掴んだみたいです。滑れるようになってますますたのしいです♪陽人さんのお陰です♪」

「いやいや、愛菜ちゃんのセンスだよ!午後は少し上まで行く?」

「はい!ドキドキだけど、転けても笑わないでくださいね。」


ちょっと愛菜さん…

そんな目で陽人さんを見つめちゃって…スキスキオーラ出まくりですよ。


ってか…

慎二さんもやっぱ滑れる人がいいよね。教えがいがあるよね…


やっぱあたしボード向いてないのかも…


愛菜が陽人さんと楽しく話すなか、あたしは1人ブルーになっていた。


「どうした?疲れた?」

あたしがあまりに沈んだ顔をしていたのか、慎二さんが声をかけてきた。


「いえいえ、全然疲れてないですよ。」

考えてることがバレないように、明るく答えた。


「そう?沈んだ顔してたけど?」


「ホント大丈夫です。ただ、あたしみたいな出来ない子で、慎二さんに申し訳ないと思って。慎二さんも全く滑れないし…午後は滑ってきていいですよ♪あたし練習してるんで。」


一応明るく言ったつもり。

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