雪恋〜ゲレンデで恋して〜
いや、絶対いるよ。


だってカッコいいもん。それでボードやってる姿みたら、みんなファンになっちゃうよ…


って思ったけど、言わなかった。


あたしもその1人と思われたくないし…



あたしは、ファンじゃなくて、好き。だから…


「遥って、おもしれー(笑)表情もすげーかわるよな(笑)」


どんな顔してたのあたし…


恥ずかしくなってまたミルクティーを飲む。


ソファーに体育座りをして、2人でボーッとライトに照らされたゲレンデを見る。


会話がなくても心地いい感じがした。同じ空間にいるだけで、幸せだった。


なんか心地良すぎてウトウトしてきた…。


「遥?眠くなった?部屋に戻る?」


シンくんは、そう聞きながら、あたしの頭を撫でた。子供をあやすかのように。


「え〜…もうちょっとここにいたい…」


ここにいたいと言うより、もうちょっとシンくんといたいだけなんだけど…


「でも、眠そうだぞ?じゃあ、明日もここでゲレンデ見るの付き合ってやる!だから、もう寝ろ!」


少し命令口調のシンくんにドキドキしながらも、睡魔に勝てず、うん。とおやすみを言って、別れた。



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