雪恋〜ゲレンデで恋して〜
「なぁ、遥。」


ゆっくり歩いていると、シンくんに声をかけられる。

「ん?」


あたしはそう返すだけで精一杯。


繋がれた左手だけが温かい。


「俺さ、誰にでもこんなことしたりしねーから。頭撫でたり、手握ったり…」


「うん。それは…その…期待してもいいのかな?」


思いきって聞いてみた。顔が火が出そうなくらい熱い。


「ってか期待してもらわなきゃ困る。俺は、遥が好きだ。これからも一緒にいたいし、実は、女とボードとか初めてなんだ。今までは、自分が滑れねーからボード教えたりとか連れてきたりとかしなかった。でも、遥は違う。ボードにつれてきたいって思ったから教えてるし、自分が滑れなくても楽しいって思える。これからも一緒にいたいし、あっちに帰っても一緒にいたい。だから、俺の彼女になってくれない?」


凄く真剣なシンくん。


あたしは嬉しくて嬉しくて涙が出た。


嬉しくて言葉が出なくて、うんうんと何回も頷いた。


すると、シンくんは頭を撫でて、抱き締めてくれた。


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