雪恋〜ゲレンデで恋して〜
「シンくん…ちょっとってかだいぶ恥ずかしいんだけど…」


思わず言ってしまうくらい恥ずかしい…


もちろん嬉しい恥ずかしさなんだけど…


「イヤ?」


抱き締められてるから、耳元で聞こえるシンくんの声。


それがまた恥ずかしい。


「嫌じゃないけど恥ずかしいよ。」


そう言って少し顔を隠そうと試みる。


「遥、こっち向いてみて?」

そう言われ、少しシンくんを見た。


チュッ…


「ちょっと〜、もう」


と下を向いた。ホント心臓もたない。


シンくん甘過ぎる…


「なんで、下向くんだよ〜。」


「だって恥ずかしいんだもん。」


そう言うと、


「ごめんごめん。遥かわいくてついね(笑)」


といいながら、離れた。



恥ずかしかったのに、離れられると寂しいしガッカリしてる自分がいた。


あたしはどうしたいの?


自分でもわからない。


なんか寂しくなって、自分からシンくんの手をギュッて握った。


シンくんは、フフッて笑いながら握り返してくれた。

こうなる自分が初めてで、自分でもわけがわからなかった。


< 89 / 154 >

この作品をシェア

pagetop