二千年物語
気にしなきゃいいんだよ。

だって夢だし!

ただ夢にしてはリアルだっただけ。

あの男の人だって私には関係ないだろうし・・・

きっとね・・・

『いってきま〜す!』

『おっす。奈央。』

『あっ!健ちゃん!』

健ちゃん。松尾健二。私の幼馴染み。

『奈央、遅かったな。』

『ゴメンね!ちょっと寝坊しちゃってさ!!』

『まったく・・・あ!そだ。お前が行きたがってた遊園地のチケットGETした。』

『え!ホント!?』

『ウソつくか。今度の日曜いかね?』

『行く!行く行く!!楽しみだあ〜♪』

『おい。あんまはしゃぐと人にぶつか・・・』

ドンッ!!

『いった〜・・・』

『・・・・』

『大丈夫か!?ほら!奈央謝らなきゃだろ。』

『すみません!!ケガは・・・』


ーキュン・・・。

『いいよ。別に。』

顔も、声も、

夢の中の男の人にそっくり・・・

『・・・・』

あっ。また涙が・・・

『・・・じ・じゃ俺行くから。』

待って・・・

『奈央!大丈夫か?お前何泣いてんの!?どっか痛いんか!?』

『ううん。大丈夫。今度は気を付けなきゃね・・・』

あの人も・・・泣いてた?


二千年目の恋の始まり・・・
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