きみに守られて
「見て見て!!、
犬たちが楽しそうにいるでしょう、
数えたことないんだけど、
何時の間にか猫と犬三十匹近くいるのよ。
犬はいいけどね、猫!猫よ!
あの子たちはご飯の時だけよ、
私に懐くの。信じられる?」
彼女の公然なひとり言は、
毎日欠かさず語られた。
単調な季節の話などや
その日の出来事など話す、
まるで会話が二人の間で
成立しているように。
「私ね、一人でこの家にいた時、
ユリ兄が私に話してくてた事
よく思い出してた。
辛かった過去の話とか・・・。
正直言ってその辛さ、
気持ち、分からない・・。
私は、
幸せに鈍感に生きてきたから・・
だから私
”そうか・・そんな人生もあるんだ”
って程度なの。
でもそれで十分だと思う・・
ここにユリ兄がいてくれるから、
私もいる。
そしてユリ兄は
それ以上何かを望んでいるわけでは
無いと私は思う・・・。
私は幸せに慣れてるから・・
家族だって・・
お父さんお母さんだって
娘の私が呆れるほど仲が良いの。
近所に住んでる、
お爺ちゃんおばあちゃんも。
おばあちゃんなんて
一緒に服とか買いに行ったりして、
それで私と同じ服買うの
笑っちゃうでしょ?
でも可愛いから似合ったりするのね。
学校だって
三十八度の熱位だったら
平気で行ってた。
クラスの皆と
馬鹿騒ぎするの大好きだったから。
大して大きな悩みも無く、
大して荒い世間の波に
さらされる事も無く、
ずっと庇護されて育ってきた事・・・
私も解ってる。
ユリ兄が言うような、
金銭的悩みも抱えた時も無かった。
バイトとかもしたよ、
お小遣い稼ぎ程度ね。
その時は
一人立ちしたような錯覚もしたけど、
生意気に
大きな一歩を踏み込んだ気もしたけど。
犬たちが楽しそうにいるでしょう、
数えたことないんだけど、
何時の間にか猫と犬三十匹近くいるのよ。
犬はいいけどね、猫!猫よ!
あの子たちはご飯の時だけよ、
私に懐くの。信じられる?」
彼女の公然なひとり言は、
毎日欠かさず語られた。
単調な季節の話などや
その日の出来事など話す、
まるで会話が二人の間で
成立しているように。
「私ね、一人でこの家にいた時、
ユリ兄が私に話してくてた事
よく思い出してた。
辛かった過去の話とか・・・。
正直言ってその辛さ、
気持ち、分からない・・。
私は、
幸せに鈍感に生きてきたから・・
だから私
”そうか・・そんな人生もあるんだ”
って程度なの。
でもそれで十分だと思う・・
ここにユリ兄がいてくれるから、
私もいる。
そしてユリ兄は
それ以上何かを望んでいるわけでは
無いと私は思う・・・。
私は幸せに慣れてるから・・
家族だって・・
お父さんお母さんだって
娘の私が呆れるほど仲が良いの。
近所に住んでる、
お爺ちゃんおばあちゃんも。
おばあちゃんなんて
一緒に服とか買いに行ったりして、
それで私と同じ服買うの
笑っちゃうでしょ?
でも可愛いから似合ったりするのね。
学校だって
三十八度の熱位だったら
平気で行ってた。
クラスの皆と
馬鹿騒ぎするの大好きだったから。
大して大きな悩みも無く、
大して荒い世間の波に
さらされる事も無く、
ずっと庇護されて育ってきた事・・・
私も解ってる。
ユリ兄が言うような、
金銭的悩みも抱えた時も無かった。
バイトとかもしたよ、
お小遣い稼ぎ程度ね。
その時は
一人立ちしたような錯覚もしたけど、
生意気に
大きな一歩を踏み込んだ気もしたけど。