アイドルになら殺されてもいい!
彼女は血まみれの猫を踏みつけ
血の滴るダガーナイフを手にこちらに近づいてくる。




「なんでそんな目をするの?」



血に染まった彼女の手。
血に染まった彼女のかわいい顔。



「あなたもそんな目をするのね…」



ふらふらと魂が抜けたように歩く彼女。




「みんな私をのけ者にするのよ。
みんなが私を鎖につないで閉じ込めようとする」



目の前に立つ彼女の視線が
俺を放さない。



金縛りにあったように
動けない俺。



ナイフの先から
血がぽとりとひとしずく。
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