同居以上、同棲未満。
管理人さんから受け取った鍵で502号室に入ると、まさに写真で見たとおりの、ううん、それ以上に素敵な部屋!



廊下からそのままリビングの向こうのベランダのある窓まで見通せるんだけど、景色がやばーーーい!



「ここ、高台だから景色良さそうとは思ってたけど、こんなに良いなんてねーーーっ」



祐樹は感心してベランダの手すりから身を乗り出してる。あたしはわくわくしながらキッチンやトイレや風呂場を覗く。どこも綺麗に掃除されてて、オトナの女の人の部屋、って感じがした。



リビングの両側の2つの部屋、片側だけドアが開いてる。中を見ると、ガランとして家具だけ置いてある。



「ダンボール部屋に入れようか。やっぱこっちが利奈の部屋っぽいね」



「うん、写真で見たとおりだからそうだと思う」



運び終わると、急にのどが渇いてきて。



「お茶でも、入れよっか。私ティーパックとマグは持ってきたんだ」



「おぉっ!さすが利奈!お願いしますっ」



祐樹は嬉しそうに言って、ソファに腰掛けるとテレビをつけた。
< 10 / 43 >

この作品をシェア

pagetop