同居以上、同棲未満。
煮付けを魚用のお皿に取ったり、肉じゃがやおひたしを小皿に盛り付けたりしてる間、片桐さんが妙にこっちを見てくるから緊張しちゃった。



対面キッチンって憧れてたけど、こーゆー時は気まずいかも…気まずいなんて思ってるの私のほうだけだと思うけど。。



片桐さんのことだから「まだ?」とか催促されまくるのかと思ってたのに大人しく待ってて、ホント子供みたい!と思いながら目の前に料理を並べてあげる。



「ありがとー」



「どういたしまして。あ、お魚骨あるから気をつけてくださいね」



「この俺が魚の骨なんかにやられると思うか!」



そういう問題?なんかムキになる片桐さんがおかしくて、笑っちゃった。



「初めて笑ったな」



「え?」



「ったく、俺と一緒にいてにこにこしてない女なんて人生初だぜ」



「…やっぱ王様」



「あ?」



「ううん、なんでもっ」



「なんだよ」とか言いながらも美味しそうにご飯をほお張る片桐さんを見て、なんかほんとに可愛く感じられてきちゃったんだ。

あたしはすっごいにこにこしてたと思う。
< 23 / 43 >

この作品をシェア

pagetop