同居以上、同棲未満。
地面に押し倒されているのは俺くらいの歳の女の子、
その上に乗りかかってるのは神経質そうなオヤジ。
女の子は泣いていて、でも口にガムテープが貼られてるから声は出ていない。
次の瞬間、俺の腕は考えるよりも速く動いていた。後ろからいきなりオヤジの後頭部を殴った。喧嘩だったらかなりセコイけど、そんなことも言ってらんないだろ。
オヤジは振り返って、俺を見てすぐ走り出した。駅に向かって、まさに一目散。
「おい待て!」
追いかけようとして、すぐ女の子のことを思い出した。見ると、震える手でめくれあがったスカートを直しているところだった。
こんな暗い道に今この子を置いてあんなオヤジを追っかけるのはちょっと気が引けた。まずはこの子を無事なところまで連れてってあげるのが先だよな。
「大丈夫?」
と声をかけながら口のガムテープをとってあげた。
「あ、ありがとうございます…私…」
「なんも言わなくていいよ。俺、園田祐樹。家、すぐそこなんだ。ついておいでよ、ちょっとケガもしてるみたいだし」
「で、でも…」
「あ、俺、姉さんと住んでるから、心配しなくていーよ。ちなみに姉さんは看護師だから、応急手当してあげれるからさ」
ありがとうございます…と言いながら、小さい身体をさらに縮こまらせる女の子を見て、俺は自然と手を繋いでいた。
その上に乗りかかってるのは神経質そうなオヤジ。
女の子は泣いていて、でも口にガムテープが貼られてるから声は出ていない。
次の瞬間、俺の腕は考えるよりも速く動いていた。後ろからいきなりオヤジの後頭部を殴った。喧嘩だったらかなりセコイけど、そんなことも言ってらんないだろ。
オヤジは振り返って、俺を見てすぐ走り出した。駅に向かって、まさに一目散。
「おい待て!」
追いかけようとして、すぐ女の子のことを思い出した。見ると、震える手でめくれあがったスカートを直しているところだった。
こんな暗い道に今この子を置いてあんなオヤジを追っかけるのはちょっと気が引けた。まずはこの子を無事なところまで連れてってあげるのが先だよな。
「大丈夫?」
と声をかけながら口のガムテープをとってあげた。
「あ、ありがとうございます…私…」
「なんも言わなくていいよ。俺、園田祐樹。家、すぐそこなんだ。ついておいでよ、ちょっとケガもしてるみたいだし」
「で、でも…」
「あ、俺、姉さんと住んでるから、心配しなくていーよ。ちなみに姉さんは看護師だから、応急手当してあげれるからさ」
ありがとうございます…と言いながら、小さい身体をさらに縮こまらせる女の子を見て、俺は自然と手を繋いでいた。