黒王子と銀の姫
1.落城
燃え盛る炎。
叫び、悲鳴、何かが壊れる音。
血の匂い。
供は一人減り、二人減り、最後に残ったのは、常にユーリに付き従ってきた護衛であり守り役でもある青年と、青年の弟だけになってしまった。
「ユーリ様、こちらへ」
その言葉に応える間もなく、青年はユーリを抱え込むようにして、崩れかけた城壁の隙間に身を潜めた。
走り抜ける複数の足音をやりすごし、小さく吐息をついたが逃げ場はない。
ついに追い詰められたその場所で、青年はユーリの髪を切り、着ているものを弟のそれと交換させた。
叫び、悲鳴、何かが壊れる音。
血の匂い。
供は一人減り、二人減り、最後に残ったのは、常にユーリに付き従ってきた護衛であり守り役でもある青年と、青年の弟だけになってしまった。
「ユーリ様、こちらへ」
その言葉に応える間もなく、青年はユーリを抱え込むようにして、崩れかけた城壁の隙間に身を潜めた。
走り抜ける複数の足音をやりすごし、小さく吐息をついたが逃げ場はない。
ついに追い詰められたその場所で、青年はユーリの髪を切り、着ているものを弟のそれと交換させた。
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