黒王子と銀の姫
3.剣
二人の間に横たわる抜き身の剣。
「拾え」と言われて、ユーリはとまどった。
剣を拾うためには、崖から離れなくてはならない。
(ワナかも知れない)
浮かんだ思いを、心の中で否定した。
髪を切り、煤で顔を汚し、少年に身をやつした自分の正体が、一目で見抜けるはずがない。
よく見れば、剣の柄にはいくつもの宝石が埋め込まれ、精緻な彫刻が施されていた。
それでいて、単なる飾り物ではないことは、研ぎ澄まされた刀身が放つ、冴えた輝きから見てとれた。
「拾え」と言われて、ユーリはとまどった。
剣を拾うためには、崖から離れなくてはならない。
(ワナかも知れない)
浮かんだ思いを、心の中で否定した。
髪を切り、煤で顔を汚し、少年に身をやつした自分の正体が、一目で見抜けるはずがない。
よく見れば、剣の柄にはいくつもの宝石が埋め込まれ、精緻な彫刻が施されていた。
それでいて、単なる飾り物ではないことは、研ぎ澄まされた刀身が放つ、冴えた輝きから見てとれた。