黒王子と銀の姫
「俺を殺したいから、剣術をやっているのだろう!?」

詰め寄られた少女が、驚いたように目を見張る。

憎んでいなくてはだめだなんて、まるで狂人のたわごとだ。

そうだ、俺は狂っている。

生れ落ちた時から、救いのない狂気にとらわれている。

弱みなど見せたくないのに、頭がぐらぐらする。

すぐに下がると思った熱は、順調に上がり続けているようだ。

驚いたように自分の名を呼ぶ少女の声を遠くに聞きながら、イリアはその場に膝をついた。



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