黒王子と銀の姫
「婚儀が終わって何日も立ちますのに、こうしてお話するのは始めてですわね。忙しいとおっしゃって、ずっと寝所も別々で……。私、初めて舞踏会でお会いした時から、イリア様をお慕いしておりましたから、あなた様の妻になることができて、天にものぼるつもりでおりましたのに……」
媚びるような瞳を向けられて、笑いをこらえるのに苦労した。
さすがは十八歳にして、数々の男と浮名を流した姫君だ。
イリアは適当に相槌を打ちながら立ち上がり、部屋の窓を全開した。
媚びるような瞳を向けられて、笑いをこらえるのに苦労した。
さすがは十八歳にして、数々の男と浮名を流した姫君だ。
イリアは適当に相槌を打ちながら立ち上がり、部屋の窓を全開した。