黒王子と銀の姫
「お前は、俺を憎んでいなくてはだめだ」

イリアはなぜ、そんなことを言ったのだろう。

「俺を殺したいから、剣術をやっているのだろう?」

殺されることを、望んでいるようにしか、聞こえない。

本当のことを言えば、イリアに剣を向けることなど、今はもう考えられない。

たぶん、五年の月日が長すぎたのだ。

< 115 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop