黒王子と銀の姫
24.クリムゾン
幼い頃、いつもユーリのそばにいて、ユーリを無条件に守ってくれたのは、グレアムという名の青年だった。

ユーリが笑いかければ、優しい笑みを返してくれた。

ユーリが泣けば、泣き止むまでそばにいてくれた。

大好きだった。

誰よりもグレアムのことが好きだった。

それなのに……。
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