黒王子と銀の姫
書斎に入るなり、イリアは尊大な所作で、豪奢な椅子に腰を下ろした。
いつにもまして不機嫌な面持ちで頬杖をつき、ユーリと目が合わないようにして、あさっての方を見つめている。
露骨に避けられてむっとした。
これが「憧れの王子様」の態度だろうか。
でも、相手が聞く耳持たなくたって、構わない。
ずっと胸の中にためこんでいた言葉はひとつだけだった。
ユーリは王子の目の前に立ち、大きく息を吸い込んだ。
いつにもまして不機嫌な面持ちで頬杖をつき、ユーリと目が合わないようにして、あさっての方を見つめている。
露骨に避けられてむっとした。
これが「憧れの王子様」の態度だろうか。
でも、相手が聞く耳持たなくたって、構わない。
ずっと胸の中にためこんでいた言葉はひとつだけだった。
ユーリは王子の目の前に立ち、大きく息を吸い込んだ。