黒王子と銀の姫
「芝居のことは忘れろ。お前にはもう関係のないことだ」

皮肉な微笑が微妙に変化して、どこか悲しいものになる。

「剣があつかえるようになったところで、お前には無理だ」

「見損なわないでください!」

話はまったく見えなかったけど、ユーリは必死で言い張った。

「無理だと決め付けるなんて、失礼じゃないですか!」

少年は少女を見つめている。

一秒、二秒、三秒。

きっちり三秒経ってから、イリアは微かに苦笑した。



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