黒王子と銀の姫
ユーリは粗末なテーブルの上に無造作に置かれた剣に視線を落とした。

簡素な部屋の中で、唯一の装飾とも言える刀剣の鞘には、いくつもの宝石が埋め込まれ、よく見れば、王家の紋章が刻まれている。

戦場で出会った時、ユーリはこの剣を帯びていた。

他人に渡して良いものではないはずだ。



< 176 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop