黒王子と銀の姫
今からちょうど八年前、クリムゾンは、第二王子ミカエルを担ごうとする者たちに、刺客として雇われた。
ターゲットは、第四王子のイリア・アルフォンソ。
第一王子でもなく、第三王子でもなく、第四王子というのが奇妙だったが、早いうちに芽を摘んでおきたいのだと聞かされて、そんなものかと納得した。
わずか十一歳の少年をなきものにするために、連中は、クリムゾンとは別に、さらに二名の刺客を雇い、三人まとめて第四離宮に送り込んだ。
王子の暗殺に成功した者には、多額の報酬が支払われる。
だが、やりそこなった者に対する報酬はない。
下手をすれば、秘密保持のために、こっちが消される可能性もある。
クリムゾンが、王子の命より先に、二人の刺客の命を奪ったのは、同僚に先を越されないためだった。
ターゲットは、第四王子のイリア・アルフォンソ。
第一王子でもなく、第三王子でもなく、第四王子というのが奇妙だったが、早いうちに芽を摘んでおきたいのだと聞かされて、そんなものかと納得した。
わずか十一歳の少年をなきものにするために、連中は、クリムゾンとは別に、さらに二名の刺客を雇い、三人まとめて第四離宮に送り込んだ。
王子の暗殺に成功した者には、多額の報酬が支払われる。
だが、やりそこなった者に対する報酬はない。
下手をすれば、秘密保持のために、こっちが消される可能性もある。
クリムゾンが、王子の命より先に、二人の刺客の命を奪ったのは、同僚に先を越されないためだった。