黒王子と銀の姫
イリアが剣を与えた理由。
復讐劇の中の復讐劇。
「だって、そんなのおかしすぎる。イリアは私に殺されるつもりだったってこと? そのために、私を匿って、剣を与えて、剣術を教えて……。そんなの、狂ってるとしか思えない!」
「天才ってのは、大なり小なり狂ってるものだ」
「じゃあ、この剣を持ってきたのは、私にイリアを殺せってこと!?」
「そんなはずないだろ! 俺はイリア様を死なせたくないんだ!」
階段を駆け上がるあわただしい足音が、二人の会話に重なった。
部屋に飛び込んできたアランが、窓から身を乗り出した時、青年は闇に掻き消えていた。
復讐劇の中の復讐劇。
「だって、そんなのおかしすぎる。イリアは私に殺されるつもりだったってこと? そのために、私を匿って、剣を与えて、剣術を教えて……。そんなの、狂ってるとしか思えない!」
「天才ってのは、大なり小なり狂ってるものだ」
「じゃあ、この剣を持ってきたのは、私にイリアを殺せってこと!?」
「そんなはずないだろ! 俺はイリア様を死なせたくないんだ!」
階段を駆け上がるあわただしい足音が、二人の会話に重なった。
部屋に飛び込んできたアランが、窓から身を乗り出した時、青年は闇に掻き消えていた。