黒王子と銀の姫
ほっそりとした背中だった。
食欲がないところをみると、体調だってよくないはずだ。
それでも背筋を伸ばした後姿は、まぎれもなく王族のそれだった。
「クリムゾン」
背中越しに声をかけられて、クリムは前に踏み出した。
「まだいたのか。お前はつくづく物好きだな」
冷めているのに、どこか悲しみを湛えた声だった。
「心配なさらなくても、他の者には暇を出しました」
「グノーは?」
「ここ数日、姿が見えません」
イリアは軽く頷いた。
それ以上、追求する気はなさそうだ。
食欲がないところをみると、体調だってよくないはずだ。
それでも背筋を伸ばした後姿は、まぎれもなく王族のそれだった。
「クリムゾン」
背中越しに声をかけられて、クリムは前に踏み出した。
「まだいたのか。お前はつくづく物好きだな」
冷めているのに、どこか悲しみを湛えた声だった。
「心配なさらなくても、他の者には暇を出しました」
「グノーは?」
「ここ数日、姿が見えません」
イリアは軽く頷いた。
それ以上、追求する気はなさそうだ。