黒王子と銀の姫
「どうして、第一離宮に、こんな絵が……」

「さあ、たぶん、好きだったんだろ?」

極限までうろたえた従者から目を逸らしたまま、少年はそっけなく呟いた。

(好きだった?)

第一王子がこの絵の少女を?

そんな簡単な言葉で片付けて良いはずがない。

「だって、この娘、いや、このお方は……」


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