黒王子と銀の姫
32.孤高
「これ以上、お前に話すことはない」
「出て行け」という言葉で、会話はいきなり打ち切られた。
どこまでも冷ややかな声だった。
「第二王子はすでになく、第三王子、第一王子ももういない。これからは俺がこの国の王だ」
これは演技だと咄嗟に思った。
芝居はまだ続いているのに、自分は退場を迫られている。
「正妃と三人の妾妃は……」
「放っておいても出て行くさ。王室に仕える者全員に暇を出す。ここから先は、王と第一王子の亡骸と、俺だけでいい」
「なぜ、そんな……」
少年の唇がかすかに動いたが、その声はクリムゾンの耳はとどかなかった。
「出て行け」という言葉で、会話はいきなり打ち切られた。
どこまでも冷ややかな声だった。
「第二王子はすでになく、第三王子、第一王子ももういない。これからは俺がこの国の王だ」
これは演技だと咄嗟に思った。
芝居はまだ続いているのに、自分は退場を迫られている。
「正妃と三人の妾妃は……」
「放っておいても出て行くさ。王室に仕える者全員に暇を出す。ここから先は、王と第一王子の亡骸と、俺だけでいい」
「なぜ、そんな……」
少年の唇がかすかに動いたが、その声はクリムゾンの耳はとどかなかった。