黒王子と銀の姫
とぎれとぎれに聞こえていた砲声が、次第に激しさを増していく。

建物が鳴動し、天井からほこりが降り注ぎ、遠くで何かが壊れる音がした。

「どうしてここには誰もいないのですか?」
「大勢いた方が良かったのか?」

質問に質問を返されて、ユーリは難しい顔で黙り込んだ。

城に大勢の人間がいれば、戦いはそれだけ熾烈なものになる。

最新鋭の武器を備え、戦慣れした王侯軍に、捕虜を主体とする寄せ集めの革命軍が太刀打ちできるはずがない。





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