黒王子と銀の姫
不自然な体勢で身をよじったユーリは、愕然と目を見開いた。
床に投げ出されたイリアの左手が鮮血で赤く染まっている。
傍らには、さっきまで屋上で揺れていた、巨大なシャンデリアが転がっていた。
何が起こったのかを確認するには、気が遠くなるほどの勇気が必要だった。
震えながら身を起こしたユーリの唇から声にならない悲鳴がほとばしる。
少年の背中には、鋭利な刃物のようなクリスタルの破片が刺さっていた。
震える指先に触れた頬の冷たさ。
床を這って広がっていく鮮血の生温かさ。
気を失いそうになる自分を叱咤して、イリアの顔を覗き込んだ。
床に投げ出されたイリアの左手が鮮血で赤く染まっている。
傍らには、さっきまで屋上で揺れていた、巨大なシャンデリアが転がっていた。
何が起こったのかを確認するには、気が遠くなるほどの勇気が必要だった。
震えながら身を起こしたユーリの唇から声にならない悲鳴がほとばしる。
少年の背中には、鋭利な刃物のようなクリスタルの破片が刺さっていた。
震える指先に触れた頬の冷たさ。
床を這って広がっていく鮮血の生温かさ。
気を失いそうになる自分を叱咤して、イリアの顔を覗き込んだ。