黒王子と銀の姫
(いい気なものだな。いつまでのうのうと生きているつもりだ)

頭の中で響く嘲笑。

(自作自演のつまらぬ復讐劇は失敗だ。
革命を引き起こし、お前をこの世に生み出したアルミラ王家を道連れに、最後の王として国民の面前で死んでみせる。
そんな、自虐的でばかばかしい猿芝居は、シャンデリアと一緒に砕け散ってしまった)

「……わかっている……」

わかっているのなら、どうして生きている?

お前を身ごもらなければ、お前の母親は塔から身を投げたりはしなかった。

キリシュを毒殺したのは何のためだ?

開放されたかったのだろう?

憎んでいたのだろう?

この世に生まれてくるべきではなかったのだろう?

傷が癒えるのを待つまでもない。

リタニア王女の前に、惨めな骸を晒すのも一興ではないか。













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