黒王子と銀の姫
6.湯殿
ユーリは困惑顔で周囲を見回した。

着ていたものが見つからない。

だからといって、いつまでも裸でいるわけにもいかない。

しばらく無言で考えてから、仕方なく用意されていた服を引き寄せた。

一人で湯殿を使うのも、一人で服を着るのも生まれて始めてで、あらためて囚われの身となったことを思い知らされる。


< 25 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop