黒王子と銀の姫
それは、一人の少年の調書だった。

年は十二歳。
父親はリタニアに雇われた傭兵で、このたびの戦で戦死した。
母親ははやり病で亡くなり、少年は六歳の年からリタニア王宮で下働きをしていたが、総攻撃の直前に城を抜け出し、山中をさまよっていたところで、たまたま戦場を視察していたアルミラの第四王子に拾われた。




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