黒王子と銀の姫
13.大切
「イリア様にさ」
クリムゾンは意味深に微笑んだ。
「前に言っただろ? お前を一番特別扱いしているのはイリア様だってさ」
耳元でささやかれ、ユーリは全力で否定した。
「そんなはずないわ! 食事の時も、お茶の時間も、立ちっぱなしで給仕をさせられて……あてがわれた部屋なんて暗くて狭いし、ベッドは固いし、食事はじゃがいもばかりだし……」
本気で文句を言っているわけではなかったが、言葉はなかなか止まらない。
ようやく言葉が尽きた時、少し離れたところで何かが動く気配がした。
クリムゾンは意味深に微笑んだ。
「前に言っただろ? お前を一番特別扱いしているのはイリア様だってさ」
耳元でささやかれ、ユーリは全力で否定した。
「そんなはずないわ! 食事の時も、お茶の時間も、立ちっぱなしで給仕をさせられて……あてがわれた部屋なんて暗くて狭いし、ベッドは固いし、食事はじゃがいもばかりだし……」
本気で文句を言っているわけではなかったが、言葉はなかなか止まらない。
ようやく言葉が尽きた時、少し離れたところで何かが動く気配がした。