黒王子と銀の姫
ベッドに組み敷かれ、胸を肌蹴られても、イリアは眉ひとつ動かさない。
男の手のひらが肌を滑る感触に耐えながら、自分と同じ顔をした少女のことを考える。
王の愛妾として城に連れてこられた時は、十二歳だったと聞いている。
その後、少女の身にどんなことが起こったのか。
十五歳でイリアを生んだ時、少女は完全に狂っていた。
生まれた子供を一度も抱くことなく、塔の上から身を投げた。
「愛している」
青年が熱にうかされたように囁くたび、天蓋付の大きなベッドがきしむたび、自分の父親が本当は誰なのかを思い知らされる。
男の手のひらが肌を滑る感触に耐えながら、自分と同じ顔をした少女のことを考える。
王の愛妾として城に連れてこられた時は、十二歳だったと聞いている。
その後、少女の身にどんなことが起こったのか。
十五歳でイリアを生んだ時、少女は完全に狂っていた。
生まれた子供を一度も抱くことなく、塔の上から身を投げた。
「愛している」
青年が熱にうかされたように囁くたび、天蓋付の大きなベッドがきしむたび、自分の父親が本当は誰なのかを思い知らされる。