黒王子と銀の姫
「そう言えば、カリノ家の連中は、下の娘をお前に嫁がせるつもりのようだ」
何気ない調子で告げながら、キリシュは寝台から身を起こした。
窓際に立つ少年は、薄布をまとっただけの痩せた背中を兄に向けたまま、無言で月を見つめている。
何気ない調子で告げながら、キリシュは寝台から身を起こした。
窓際に立つ少年は、薄布をまとっただけの痩せた背中を兄に向けたまま、無言で月を見つめている。