ハチミツ王子と俺様王子

誘惑

朝…大河は日直で、一緒に登校できなかった…。


一人で登校とか…まぢでむなしい…。


とぼとぼ下を向きながら歩いていると、いつのまにか学校に着いていた。


あぁ…学校だよ。


ため息をついて、少しずつ校舎に歩いていった。


あっっ…。裏庭で教室に飾る花つんづこよっ!


私、お花係だし。


そう思って裏庭に向かった。


「カワイー♪この花ぁ~」
好きな花つむのって、地味に楽しいなっ。


浮かれていたら、後ろからいきなり誰かに抱きつかれた。


「きゃあああ!?」


「おっはよ~葵~!」


うっっ…陸…。


「いきなり抱きつかないで!!」


「なーんだよ、もうシタ仲じゃん♪」


ズキッと胸に何かが刺さった。


あぁ…そうか、私まだ怖いんだ…。


「離して!!陸なんかきらいっ!!」


「なんでぇ?俺は好きだよ?」


むかっ!なーにが「はちみつ王子」よっ!


ただの「腹黒変態王子」じゃない!!


そう心のなかで叫んでいると、陸がいきなり真剣な顔で私を見てきた。


「陸…?」

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