ゆめ・うつつ(さみ短3)
現
額に、冷たい手があてられた。
「熱が、あるな」
聞きなれた、声。
ああ、夢だったのか。
「たいしたこたぁ、ない」
八郎は、目を開けて、心配そうに見降ろしている幼馴染の小太郎を見上げた。
起き上がろうとした八郎を、小太郎が押しとどめる。
「おまえは、いつも無理をする。今くらいは、身体を休めておけ。その腕を斬られてから、まだ4月しか経っていないんだぞ」
「ばかにすんな。おいら、毎日尺先生の講義で、身体が鈍るほど休んでら」
八郎は笑って、手をつかずに体を起こした。
そうして、左手を見る。
肘の下から失った、左手。
「熱が、あるな」
聞きなれた、声。
ああ、夢だったのか。
「たいしたこたぁ、ない」
八郎は、目を開けて、心配そうに見降ろしている幼馴染の小太郎を見上げた。
起き上がろうとした八郎を、小太郎が押しとどめる。
「おまえは、いつも無理をする。今くらいは、身体を休めておけ。その腕を斬られてから、まだ4月しか経っていないんだぞ」
「ばかにすんな。おいら、毎日尺先生の講義で、身体が鈍るほど休んでら」
八郎は笑って、手をつかずに体を起こした。
そうして、左手を見る。
肘の下から失った、左手。