恋々



放課後。


俺ら(華野と俺)は2人で黙々と作業していた


「空君、これ…」


「あ、ああ。それはこっちの机に置いてくれるかな」


「空君…」


いつから華野は俺の事を「空」と呼んでいたのだろう


「あたし、空君と話すの初めてだよね」


違うよ?


話した事は、ある。


入学式の時


俺が迷子になってたら


華野が教えてくれた


華野にとっては何気ない優しさだったのかもしれないけど


俺にとっては


始まりだった。


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