I♥DOLL
「はいよ」


そう言って鍵を投げると彼はそのままあたしの横を通って、歩いていった。


なんなんだ、アイツは…。


うざいし、可愛くないし、おまけに人をバカにするし!!!


ムカツくのはこっちもだよ!
ちょうど良かったじゃん、あんなヤツには好かれるより嫌われた方が幸せだっ。


鍵を右手で持つと大きく歩いて家まで帰っていった。


でも、なんだかモヤモヤするな~

やっぱり嫌いなヤツからでもムカツくとか言われたらモヤモヤするのかな?


うぅ~、モヤモヤの原因がアイツだと思うとさらにモヤモヤしてきた。

しかも、イライラまでしてきたし。


ちょっと今日はおかしいかもしれない。

早く帰って早めに寝よう!!


ミキには協力の事はやっぱり断ろう!


直接は無理でも、メールで断ればいいじゃん!


ていうか、最初からそうやっていればよかった。
いくら友達の協力とはいえ、あんなヤツと話すというのはこんなにも大きなダメージをうける事らしいし



気が付くとさっきまであった夕日の光はなくなって、あたりは薄暗くなった。

空を見上げると、少しずつ星もまたたきはじめていた。




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