I♥DOLL

屋上なんて生徒の溜まり場で定番だけど。
あたしの学校の屋上は鍵がかかってる。


でも、実は一部の人は合鍵を持っている。
そしてそれを隠してる場所をあたしは知ってる。

誰でもとっていい鍵だから、あたしはその隠し場所から屋上の鍵を持って向かった。


屋上に出ると冷たい風があたしのおでこをあらわにする。


つめたい風。


ていうか…


『ふっざけんな―!!』


なんだ、みんな。
あたしの事散々頼りにしてきたくせに。

恋愛テクニック教えてだの、
恋の相談のってだの、

恋愛経験ゼロのあたしは必死に恋愛のハウツー本で勉強してたというのに!!


1回、断ったらこの有様かい!!


…きっと、それほどの友情、って事だな。

なんだかむなしくなっていく。


「宮川サンじゃん」


『え!?』


いきなり後ろから声がして驚いて振り向くと・・・


『中田・・・?』


そこには中田があたしを見上げて座っていた。


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