I♥DOLL
あたしは手の上にある納豆プリンの10円チョコを取り出した。


…珍しいって言えば珍しいけど


正直、このチョコを買おうとは思わないよ?
しかも他人にあげるとか。


中田をチラリと見ると中田は真剣という目でこちらをにらみつける。
その目は「早く食え」とあたしに言ってる。


あたしは包みから出した一口チョコを口の中に放り入れる。


あれ?
案外プリンチョコって感じ?


そう思ったのもつかの間。

すぐに納豆のぷわ~んとしたにおいが口の中に広まり、結果的お世辞でも『美味しい』とはいえなくなった。


中田の顔を見ると中田は「どうだった?」と聞いてきた。

なぜそんなに興味津々なの?


『…』


あたしは何も言わずに顔を横に振る。


「…やっぱりな」


!?


『やっぱりな、というなら最初から食べさせるな!!』



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