I♥DOLL
やだ、相手は中学生だよ!?


その時、彼の綺麗な茶髪がフワッと風に吹かれた。


『それ、地毛?』


茶髪というかこげ茶だけど綺麗な髪。


「え、はい」


『え?ハーフなの?』


「いえ、ハーフではないです」


じゃあクォーターか何か?


可哀相にな…


この子学校で目立つよね

もしかしたらあたしみたいに「染めてる」って陰口言われてるかも…


『学校では大丈夫?』


「へ?」


『中学生なんでしょ?学校でこんな髪色、なんか言われたりしないの?』

心配して言ったつもりだった。
なのに彼の顔は次第に険しくなっていく。


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