手のひらを太陽に
あたしが高校1年生になって2週間がたった。
授業も始まって、やっと高校生の生活になじんできた今日この頃。
あたしは中学3年生までずっとおばあちゃんの家に住んでた。
お父さんとお母さんはあたしが幼稚園の時に交通事故で亡くなった。
今まで、周りのあたしに対する同情の視線がすごく嫌だった。
学校の子たちも近所の人もみんなあたしの両親のことも全部知ってた。
だから、みんなのあたしへの優しさは同情から来ていて、
あたしとみんなの間には見えない壁があった。
地元の高校には進みたくなかった。
だからあたしは都内の高校に入学して
1人暮らしすることを決めた。
おばあちゃんも、あたしの苦しみに気づいていたのか、
止めないでくれた。
都内への引越しには
みんなの視線から解放される安堵と
都内に引っ越していったあっくんに近づける、
という淡い期待があった。