重病患者
「ハヤト、あいつ誰??」
女に目をやると、
まわりがきゃーきゃー言う。
「あいつー??ああー、
佐藤リナ。タメだったと思う。
講義で前に隣だったことがある。
なに??遊ぶの??カタそうじゃね??」
「ちげぇよ、こっち見てるから
誰かなーって。」
ふーん。
ハヤトはまわりの女と
喋りだす。
俺は適当に座って、
なにをするでもなく
ぼーっとした。
飽きたら本読んだり、
携帯いじったり。
「あ、あの……。」
はっと顔をあげた。
でもあの女じゃない。
「……何か「アドレス教えて下さい!!」
俺は結局教えるはめになる。
遊ぶ気なんてさらさらない。
あいつを見て、俺は落ちたんだ。
手に入れてやるさ。