時空の彼方
「……へ?」
「桜!?」
優が私に駆け寄ろうとすると腕を掴んだ男が怒鳴った。
「近づくんじゃねぇ!!この女の首が跳んでもいいのか!!!」
その言葉に優は止まる。細めた目ははっきりと怒りを表している。
追っていた男達も止まったまま動かない。その時、優の方から低い声が飛んできた。
「斬ればいいだろ」
その声に私を人質にとった男はビクッと反応した。
そこには蔑むような笑みを浮かべた、長髪の男が立っていた。
(凄い美形!でも顔怖いな)