冗談じゃない!~ヤンキー先生と秘密のⅩゲーム~
2、3分くらいたった。
崎冬馬は、立宮に気付くと、そっとナデシコを離した。
「じゃあな。
今日、俺部室行かないけど、バイト先には行くから。」
「うん。」
ナデシコは、パタパタと階段を上がって行った。
その足音を聞きながら、崎冬馬は立宮に言った。
「立宮……驚いた?」
「まーな。まさかお前が雅ちゃんと…だったとはね。」
「最初は、その気無しだったんだ。俺も、雅も。」
「は?」
「俺は、結構前々から好きだったけど、相手は生徒だろ?
それに、向こうはただのバツゲームで俺にコクったわけだし。」
立宮は頷く。
「なるほどね。
……でもお前見つかったのが俺で良かったよな。
これが校長、教頭だったらこれだぞ?
お前、目付けられてるし。」
立宮は、首に指を当てながら言った。
崎冬馬は、軽くため息をつくと、
「まあね。
でも俺、手に入れたものを、手放す気は、さらさらないよ……」
崎冬馬も、立宮も、少し表情が穏やかだった。