冗談じゃない!~ヤンキー先生と秘密のⅩゲーム~
「近くにいて欲しかったなぁ…」
きゅっと、崎冬馬の上着を抱きしめる。
寝てしまう前に、
崎冬馬に言われたことを思い出すと、一気に顔が火照るのがわかった。
「ただいま!」
「お母さん!おかえり……」
ナデシコの母親は、ナデシコが抱きしめている上着を見ると、ニヤニヤと笑った。
「ナデシコー?今日はお泊まりでいいわよ?」
「は?!」
「だって先生が迎えに来るって言ってたわよ?電話の声もかっこいいのね、崎先生って~」
ナデシコが首を傾げていると、ナデシコの母親が叫んだ。
「やだー!早く着替えなさい、ナデシコ!勝負服よ!」
「お母さん…ありがとう」
ナデシコは母親に言った。ナデシコの母親はびっくりして、
「なぁに、急に。」
ときく。
ナデシコは大きく息を吸うと、言った。
「先生と付き合うなんて、ダメだと思ってたけど、お母さんが普通に接してくれるから。」
ナデシコの母親は微笑んだ。
「なんだ、そんな事?
前にも言ったけど、お母さんだってそれなりに反対されるような恋愛をしたのよ。
反対したって、自分たちが思い合ってしまったらしょうがないじゃない。気にしないのよ、そういうのは。」
ほら、さっさと着替えなさい…と言って、ナデシコの母親は、部屋に入って行った。