『携帯彼氏』の災難!?
だがすぐには帰らなかった。

浜辺を歩く。

ケータイを取り出し、ハズミを見た。

「…満足か? お前が願ったことだろう?」

ケータイの中のハズミは、泣き崩れていた。

『ちがっ…! こんなこと、望んだワケじゃっ』

「しかし狙いはあったんだろう? 己が死を以て、義兄の心を捕らえたかったんだろう?」

『うっ…!』

…何となく、気付いていた。

私は海を見た。太陽がオレンジ色に輝いている。

けれど太陽は沈み、夜が訪れる。

…同じように、いつまでも明るいままではいられなかったんだ。

ハズミは。

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